2005年3月 4日
12月の銃と少女─BAD×BUDDY
富士見ミステリー文庫の新人による小説。もちろんまったく知らない人なわけですが、うちの友人の後輩だそうで、せっかくなので読んでみました。
舞台はアメリカ。ニューヨークで刑事を勤めていた主人公、ホンダは、上司とのトラブルが原因で、アトランタに左遷される。だが、着任そうそう大変な事件に巻き込まれ……。
ノリとしては、アメリカの刑事ドラマ、どいう感じでしょうか。とことん女運のない主人公、そんな彼の相方になる少年、そして物語を彩る女性たち。
で、感想なのですが……。もう少し頑張りましょう、というのが本音。
事件が進展する中盤以降はわりと面白かったんだけど、そこに至るまでがややテンポが悪く、読んでいてなかなか進まない、という印象を受けました。物語前半を、キャラや、彼らを取り巻く環境の描写に使ってしまっていて、もったいない感じ。
あと、文章は主人公の一人称で書かれているんだけど、こいつ、思考が脇道にそれやすいタイプだから、読んでいてつっかかりやすいんですな。
もう一つ気になったのは、キャラクターの持ち味をうまく生かしきれてない点。主人公、ホンダについては、左遷されたり女にひどい目に合わされたりする心境はよくできてると思いますが、相方のウォルターがいまいちよく分からないままだったのが残念。ホンダが感情的になりやすいタイプだったので、もう少し感情を抑えたキャラにしたほうが、二人の違いが浮かび上がってきて面白かったと思う。
こういう役割はオヤジキャラの方が味が出るんだけど、レーベルの都合上、それは難しいんだろうしなあ。
女性陣については、事実上のヒロイン、ロレイヌはさまざまな経験を積んだ、それでいて純粋な面を持ち合わせた女性として、なかなか魅力的でした。爆弾娘、ヴィスコも悪くはないんだけど、ウォルターとかぶっちゃってるのがやや残念。こちらはもうちょっと子供っぽさを強調しても良かったかな。
シルビアは……えっと、あまり意味がなかったような……(^^;)。
と、ちょっときつめの評価になってしまいましたが、物語はなかなか読みごたえがありました。死んでしまった容疑者を追っていくうちに、事件の真相に近づいていくくだりは面白かったですし。最後のシーンも、それまでの話をきちんと踏まえて、それでいて切ないものになっているし。
続編は作れそうな話なので、もし出たらまた読んでみたいと思わせる作品でした。続編が出るとしたら、ホンダは徹底的に不幸にしてやってください(笑)。彼は理不尽なことに巻き込まれるのがよく似合う(笑)。
12月の銃と少女―Bad×buddy
吉田 茄矢

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