2007年10月29日
みすてぃっく・あい
「百合風呂」さんで紹介されてたライトノベル。曰く、
百合 ミステリー 叙述トリック 量子力学
これらの言葉に反応した人は楽しめると思います。
で、量子力学に反応したので(笑)読んでみました(根っこのほうにSFが息づいてるのですよ<自分)。
舞台は、とある女子高の寮。冬休みに入って年の瀬も迫る頃。寮に残ったのは、美術部部員の4人、蝶子(主人公)・せりか(幼馴染)・三輪先輩・沖本部長。
これといって何も起こらない平凡な日常の風景。でも、どこか違和感を覚える風景。読んだはずの本が見つからない。ただそれだけのはずなのに──。
そして、蝶子は、せりかと、三輪先輩から、想いを告げられる。二人の想いに戸惑い、どちらも選べない蝶子。そして、せりかの姿が消えた。
引用したように、叙述トリック(とはちょっと違う気もするけど、かなり巧妙に伏線が張り巡らされている)を含むので、あらすじが書きにくいですー。
正直、序盤はなんというか、ありがちな内容だなあ、と思ったのですが、それすらも伏線だったとは。
百合モノとしては、きちんと感情は描かれているんですが、その結果はちょっと切ないです。
作品を通しての雰囲気はすごくいい感じ。ただ、それを文章で描ききれているかというと……もうすこし、がんばりましょう、かな。
というか、タイトルと作品内容がここまでかみ合わないのも珍しい……。
専門用語がかなり多めですが、分からない人はあまり深く考えずに読む進めるのが吉だと思います。
(以下、ネタバレ含みます)
これは、あれですね。ギャルゲで、特定のキャラルートに入ったのに、途中でフラグ立ててなかったのでバッドエンド、というパターン(笑)。余談ですが、「アカイイト」には、この手のバッドエンドがやたら多い。
そもそも、ギャルゲー(というか、ストーリー性のあるゲーム全般)は、同じ物語を何度も繰り返し、そこでいくつかの選択をおこなうことで、少しずつ物語が変わっていく、という、実に「非現実的」な世界観なわけです。プレイしている間、ゲームの中のキャラクターから見れば、物語はただの一つ。でも、プレイヤーたる私たちは、いくつもの物語があることを知っています。
このあたりをメタ視したゲームとしては、「ガンパレードマーチ」や「ひぐらしのなく頃に」が有名ですね。
本書は、そんな、本来は知覚も接触もできないはずの世界に、アクセスできてしまったが故の悲劇、と言っていいかと思います。
本書で用いられている「多世界解釈」に興味を持たれた方は、アニメ「ノエイン もうひとりの君へ」をおススメします。傑作なんですが、その知名度の低さったら……。
あと、自分の意識が世界に影響をもたらす、という点だと、新井素子の「……絶句」も思い出したりしました(古いなあ)。
あ、どっちも百合はないんでご注意を(笑)。
以下のサイトや書籍等が参考になるかもしれません
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